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9-12-2016
小杉低水護岸その1工事
今日は土木工事の現場紹介を行います!
[小杉低水護岸その1工事]
阿賀野川左岸蔵岡地区付近で行っている護岸工事です。
阿賀野川の湾曲部では水の流れが強くあたって堤防の根元や河の底が深く削られ、
このまま対策をしなければ他の場所に比べ、増水時に堤防が危険な状態になる可能性があります。
そのため、堤防の補修と強化を目的として枝で組んだ粗朶や石、コンクリート製品等で覆う工事を行っています。
今回は、粗朶沈床(そだちんしょう)の場面をちょうど見学させてもらいました!
土木の大野さんが丁寧に教えてくれました(*^_^*)
「粗朶(そだ)」は聞きなれない用語ですが、
樹木の幹や枝を格子状に組んでマット状にしたものを指します。
上の写真が完成後の粗朶(そだ)、
下の写真が組み立て中の粗朶(そだ)です。
この粗朶を、沈石を投入して川底に沈めるから「粗朶沈床(そだちんしょう)」。
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明治初期にオランダから伝わって以来、現代まで受け継がれてきた伝統工法です。
なんと!!!
粗朶沈床(そだちんしょう)は全国的にみても、
新潟県の信濃川、阿賀野川の一部の地域でのみ施工される珍しい工法なんです。
高度成長期にはいると、護岸工事の工法は粗朶沈床(そだちんしょう)から、
全国的にコンクリートやブロックによる護岸に取って代わられたのですが、
ブロック等では信濃川、阿賀野川ではそれらは洗掘防止の機能を十分に果たしませんでした。
信濃川、阿賀野川の河床は非常に細かい粒子で構成されているため、
ブロック等では河床に埋もれてしまうのが原因です。
粗朶(そだ)は、しなやかに曲がって多少の変化にも対応できるため、
施工されたブロックなどの工作物を長い期間守ることができます。
新潟県の信濃川、阿賀野川柔軟な粗朶(そだ)と強固なブロック等を上手く組み合わせて堤防をつくっています。
しっかりと堤防を守ってくれる他にも、こんなメリットがあります。
〇粗朶沈床(そだちんしょう)メリット
・粗朶(そだ)の格子状のすき間は、水生生物の生息空間となるので生態系が豊かに!
・ブロック等を使用する工法は製造時に大量の化石燃料を使うのに対し、環境負荷が少ない。
(粗朶沈床工法の環境負荷は、ブロック等による工法の1/2744との報告も!)
これらの利点から、最近環境保全の観点から見直されています。
新潟でしか行われてなかった珍しい工法だったのですが、
もしかしたら、粗朶沈床(そだちんしょう)の工法は新潟から全国へ広がっていくかもしれませんね。
小野組はこういった工事も手がけております(*^_^*)